福島県での不動産の取引は、賃貸・売買の2つがあり、売買はさらに業務用・住居用の2つに分けられます。多くの人にとって重要なのは住居の購入ですが、いずれのケースでも不動産業者のお世話になります。不動産取引業者によって、売買をダイレクトに行っている企業と、仲介業を主軸に行っている企業とがあります。また、大手から中小まで会社の規模に違いがあります。大手のほうがいいと考えがちですが、物件データは業界で共有ネットワーク化されており、また、中小業者の方が福島県に地域密着し親身になってくれるということも考えられます。
不動産業界団体の福島県宅地建物取引業協会、全日本不動産協会福島県本部に問い合わせて、ふさわしい会社を紹介してもらうことも可能です。
2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故により、大熊町、双葉町、富岡町、浪江町などが避難区域に指定されており、住民は一部を除いて避難生活を強いられています。大熊町の一部は帰宅困難区域となるなど、住民の生活・資産の損害は多大です。そのため、原子力被害者を救済するために、「原子力損害の賠償に関する法律」が施行されました。これは、原子力事業者の賠償責任を無過失・無限とし、責任を原子力事業者に集中させ、原子力事業者に損害賠償責任保険への加入を義務づけ、賠償措置額を超える損害については国が原子力事業者に援助することができるという、基本的な方針を定めたものです。具体的な賠償紛争についての和解は原子力損害賠償紛争審査会をひらき、賠償をスムーズに進めるための中間指針を策定しており、この中間指針は必要に応じて改定され、指針の追補が順次つけ加えられていきます。
不動産の取引を初めて行うときは、不動産業者を選ぶことは難しいかもしれません。分からないことが多々あり、不動産業界の業界団体が有用です。国内には全日本不動産協会、全国宅地建物取引業協会連合会の2つの団体があり、各都道府県に支部があります。福島県の不動産業者は全日本不動産協会福島県本部、または福島県宅地建物取引業協会に加入しています。これらの団体は、不動産無料相談会を定期的に開催したり、適した不動産業者を紹介してくれます。また、これらの団体を母体とする不動産保証協会福島県本部、全国宅地建物取引業保証協会福島本部があります。こちらは消費者の利益保護を目的としており、不動産取引に関する苦情を消費者から受け付けて解決を図ってくれるほか、手付金等保管制度を設けて必要に応じて消費者が手付金を取り戻すことを可能にしてくれます。